
硝子体手術・硝子体内注射
硝子体手術・硝子体内注射
硝子体手術とは、眼球内のゼリー状の組織である硝子体を取り除き、網膜などの病気の治療を行う手術です。対象となる疾患は、黄斑前膜、黄斑円孔、網膜剥離、硝子体出血などがあります。
加齢や病気によって硝子体が濁ったり、網膜を引っ張ったりすることがあります。これにより、視力低下や歪みなどの変視症の憎悪、または失明につながる恐れがあるため、手術が必要になることがあります。
1.麻酔 | 局所麻酔で行います。 |
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2.小さな切開 | 白眼に数か所の小さな切開を行い、眼内に器具を挿入します。 |
3.硝子体の除去 | 特殊な器具を使って、硝子体を取り除きます。 |
4.網膜の治療 | 必要に応じて、剥がれた網膜をくっつけたり、異常な膜を除去したりします。疾患によっては、術後にうつ伏せでの安静を要する場合があります。 |
黄斑の前側に余計な膜が生じる病気です。
その膜が黄斑に皺をよせるため物が歪んで見えたり、視力が低下したりします。
徐々に視力低下をきたすことが多いですが、進行してから手術するよりも早期に手術をするほうが視力予後は良いとされています。
治療はその膜を除去するために硝子体手術が必要となります。
黄斑に丸い孔があく病気です。
網膜の中心である黄斑は、視野の中心を担う非常に大事な場所です。
黄斑に孔があくと、見ているものの真ん中が非常に見えにくく、字が欠けて見える、見たいところが見えない、などの症状が出ます。
治療は硝子体手術であり、術後はうつ伏せの姿勢が必要となります。
網膜に穴や裂目ができて網膜がはがれてしまうことでみにくくなる病気で、失明するリスクがあるため急いで手術が必要になります。
手術では眼内にガスを入れるため、手術のあとにうつ伏せ等の姿勢の保持が必要になります。
硝子体注射は、目の奥にある硝子体というゼリー状の組織の中に、VEGF(血管内皮増殖因子)という物質の働きを抑える薬を注入する治療法です。VEGFは新生血管という目にとって悪い働きをする血管を作り出し、これが原因で網膜に水が溜まり、視力低下や歪みなどの症状を引き起こすことがあります。
加齢黄斑変性、糖尿病性黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症、近視性脈絡膜新生血管などがあります。
これらの病気の進行を遅らせ、視力を維持するために、硝子体注射が行われます。
1.麻酔 | 点眼麻酔を行います。 |
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2.消毒 | 眼の周りを消毒します。 |
3.注射 | きわめて細い針を用いて、白眼の部分から硝子体内に薬を注入します。 |
病気の種類や薬の種類によって異なりますが、通常は数カ月に一度、繰り返し注射を行います。
加齢黄斑変性とは目の中心部である黄斑部に障害が生じ、中央のゆがみが出現する病気です。欧米では成人の失明原因の第一位で珍しくない病気です。日本でも、人口の高齢化と生活の欧米化により近年著しく増加しています。発症のリスクとしては加齢ですが、その他に喫煙や紫外線なども関係しているといわれています。
硝子体内に薬剤を注射する抗VEGF療法という方法が一般的です。早期に発見、治療することで治療後の見えない部分を最小限に抑えることができ、視界にほとんど影響がなくてすみます。しかし、抗VEGF療法は病気を治す治療ではなく、進行を抑制する加療のため、病状によっては2~3ヶ月おきに複数回の注射が必要となることがあります。
また加齢黄斑変性の進行抑制の成分として、ルテインが注目されております。ルテインは緑黄色野菜に多く含まれていますが、医薬品会社が販売しているサプリメントもあります。
ゆがみや中心部が見えづらいと感じたら、早期の受診をお勧めします。
糖尿病網膜症に伴い、黄斑の内部に水分が貯留がする病気です。
浮腫により黄斑が変形するため物が歪んで見えたり、視力が低下したりします。
治療はレーザー治療や抗VEGF薬の硝子体注射が必要となります。
加齢黄斑変性と同様再発をくり返す事が多いため、数カ月に一回の治療が必要となる事があります。
網膜の静脈という血管が詰まることで、黄斑の内部に水分が貯留がする病気です。
浮腫により黄斑が変形するため物が歪んで見えたり、視力が低下したりします。
治療は抗VEGF薬の硝子体注射かレーザー治療となります。
加齢黄斑変性と同様再発をくり返す事が多いため、数カ月に一回の治療が必要となる事があります。
近視性脈絡膜新生血管は、病的な近視が原因で、網膜の奥にある脈絡膜に異常血管が生じることで、黄斑部の出血やむくみを起こす病気です。
浮腫により黄斑が変形するため物が歪んで見えたり、視力が低下したりします。
治療は抗VEGF薬の硝子体注射が必要となります。